特定の職種に人が集まらない理由はちゃんとある

福祉の仕事は求人難だから、職を失った人もそこを目指せばすぐ就職できる、とよく言われます。
また、にもかかわらず福祉の仕事につこうとしないのは選り好みをしているからだ、それでいて仕事が無いとか言ってるのはおかしい、怠け者の証拠だ、結局貧困は自己責任だ!ということもよく言われます。
でも、どっちも正解ではありません。おそらくツッコミのベクトルは二つあって、

  1. 福祉の仕事を志望する人はいっぱいいるのだけど、その需要に採用側がうまく対応できていない
  2. 志望する人は実際少ないが、それには妥当な理由がある

このどちらか、またはどちらもが関係しているので、求職者の自己責任をあげつらう言説は成立不可能なのです。

こんなこといきなり言い出したのも、

こんなホッテントリが上がってたからで。
痛いニュース(ノ∀`):敬遠される介護職…「内定が出ず困ってる学生もいる世の中なのにどうして…」 福祉のしごとフェアに人集まらず
とりあえず引用されている新聞記事のところに言及すると*1、まず圧倒的なPR不足だったんじゃないかと。だいたいこの手の公的な就職フェアって宣伝が下手。「人の目につくところで告知する」というのができていない。たとえばweb広告とか打ってないでしょ。人に知らせることを怠っておきながら人が来ないと嘆かれても。リクルートとかFind Job!とかの手法を参考にするといい。
また、「08年の来場は319人、07年599人(両年とも2日間)」だったのが今年1日開催で249人ってことは、前年に比べて1日あたりの来場者は増えているじゃないか?しかもこの催し物、平日開催なのだよ*2。それで249人ってむしろ盛況じゃない?資料請求の問い合わせはきてるみたいだし。
とにかくこの一事だけを見て、「人材が来ない」と断定するのは早計にすぎやしないかと。

*1:各コメントについては気が向けば後日。

*2:http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/tiikihoken/jinzaikakuho/fair.html