人手不足だと叫ぶ企業は特に中小だといっぱいあるから、

就職しそこねた氷河期世代でもやる気次第で雇ってもらえると思っていたのだけど違うのだろうか?
きょうの毎日(地域によって載ってない可能性アリ。うちは13版、9面に。)「どうする日本経済 自民党総裁選の注目点」という連載に、大田工業連合会会長の舟久保利明さんという方のインタビューが載っていた。舟久保さん自身も大田区で中小企業を経営する方なのだそうだが、

今こそ長期的な視点に立ってモノづくりの足腰を強める施策を打つべきだ。中小企業は慢性的に人手不足。

と仰り、後継者の育成による技術の伝承を大きな課題と考えておられる様子。だから政治への要望もそれに沿った発言となる。

中小企業に人材を行き渡らせるため、外国人研修生や実習生の受け入れ基準を緩和すべきだ。

なるほど。確かに人手不足の解消と製造業の生き残りには一案かもしれない。でも。

なぜ定職にあぶれている就職氷河期世代を活用しようという話にならないのだろう?

別に外国人労働者排斥を叫ぶつもりは無いけど、言葉や習慣の学習から始まる外国人の研修制度は、人に余裕の無い中小企業には厳しいものがあるのではないか*1、それなら国内の労働力を活用するほうが早くないだろうか、と。
もし舟久保さんが、貴重な労働力になりうる年長フリーターの存在に気が付いていないというのなら物言いを付けたくもなるが、でももしかしたら舟久保さんは年長フリーターについても発言してたのに、記者がそれをスルーした可能性もある。上の舟久保さんの発言をよく読むと、「外国人」は「実習生」に直接係っていないから、「実習生」とはもっと広く国内からも実習生を集めようという意味なのかもしれない。
そうするとさらに邪推が可能となるというwひょっとして就職氷河期世代でも受け入れてくれる中小企業がありますよ、では記事にならないと考えたのか、あるいはロスジェネが政治によって本当に救われると、新聞は格好の飯の種を失うからまずい、という意識が働いたのか。いずれにしろ困った話だ。ロスジェネでも遣り甲斐のある仕事に従事できるチャンスがあるのに、それが肝心のロスジェネ達に伝わっていないために貧困が温存される、ということだから。
ま、大新聞がやらないなら、小メディアのチャンスでもあるのだが。とりあえずこの問題に興味のあるフリー記者の人は舟久保さんに電話して「就職氷河期世代の活用は考えて無いんですか?」と訊いてみるとよいのかも。
ちなみに大田工業連合会をはじめとする大田区の3団体が組んで「大田ブランド」というものを立ち上げている。
http://ooq-net.jp/index.html
また大田区のモノづくり産業について詳しく書かれた新書も。こちらを読む限り三十路でもこれら企業で充分力を発揮できる可能性が探れる。
[rakuten:book:12823935:detail]

*1:むしろ外国人研修生の受け入れは、もしやるなら大企業が中心になって取り組むのがベターだと思う。