要は、媒体がないんですね?orz

先日、他山の石書評雑記の小林さんに半ばキレ気味でトラバを送った。
http://d.hatena.ne.jp/yamazakura/20080628#1214635288
そんな無礼なアタクシの振る舞いにもかかわらず、丁寧かつ的確なお返事をいただいて恐縮することしきりな今日この頃だったりする。
http://d.hatena.ne.jp/tazan/20080705#1215228524


一番恐れていたのは「就職氷河期世代でも受け入れてくれる人手不足の企業がいっぱいあるなんて事実は存在しない!」と前提自体をひっくり返されることだったのだが、幸いそれはなかった。中小企業に可能性を見出す人は適当なイメージや裏づけの無い印象論を語っているだけで、俗流にすぎない! 的な反論はあってもおかしくないと思っていたので。
そして上の前提に立ったうえで小林さんは、

現状の就職に関するメディアのあり方について考えると、yamazakuraさまの考える中小の善良な企業を探し出し、紹介するというメディアモデル自体が存在していない

という点を指摘されている。たまたま最近ほかの場所でも同じ話題を話し合う機会があったのだが、やはり「それは無いし作るのも難しい」という話で落ち着いてしまったという。たしかにリクルートもインテリジェンスもマイコミもどいつもこいつも大手&新卒志向。歳のいった大手企業ではお呼びで無い求職者はハローワークタウンワークなどの求人誌に頼るほかなく、前者は親方日の丸の無能スタッフがはびこり*1後者は自力で探さないといけないから、受かりそうな会社を引き当てるのに根気と経験、そして運がいる。
では「発表媒体」を作ればいいのかといえば、そう簡単には作れないだろう。規模は必然的に大きくなるし、維持するための人的資本をどうやって確保するか。というか予算はどこから持ってくるのか。
あと、

情報収集に関しても、アンテナを張っても探せないところはいくらでもある

という問題点もあるようで、素人考えでは電話帳で片っ端から探していくとか大田区とか板橋区とかの町工場を一軒一軒訪ねるとか方法はありそうに感じるが、それはもしかしたらジャーナリストのやり方ではないのかもしれない。
かりにそうやって探した会社を紹介するにしても、記事の形では数量を稼げない。週一回コンスタントに紹介したとしても一社あたりせいぜい若干名、年間で多く見積もっても二千人くらいしか採用に結びつかない。何万人いると言われるワーキングプアすべてに順番が回るのに果たして何十年かかるのか。
けっきょく、人手を求める優良企業と職を求める貧困層が切り離されたまま存在し、そこを結びつける手段は奪われたままという、希望の見えない結論にorz








なるのだけど、yamazakuraは諦めが悪いので、そのなかで何か突破口はないかと考えているところ。それは後日。

*1:ふだん小さな政府を標榜する人や、ネオリベの人とかでも、ハロワ批判を一切やってくれないのはどういうこと? とりあえず池田信夫氏とかやってくれないだろうか。