それでも、正規雇用にこだわる意味がある

赤木智弘さんがフリーランスで生きていく決意を固めたらしい気配がみえる影響だろうか、非正規雇用に甘んじていた、もしくは非正規雇用者の権利拡大を訴えていた人のなかで、正規雇用への挑戦をあきらめるムードが出てきているように感じる。

ちょっと、危ない傾向かな、と思う。

確かに、会社員に向いてないタイプの人というのもいるとは思うのだが、人によっては「単なる逃げ口上じゃないの?」と思うこともある。それこそ、「要は、勇気がないんでしょ?」。

だって、「会社員に向いてない」人がいるなら「フリーランスが向いてない」人がいたっておかしくないのである。自己管理がマトモに出来ないから、他人にコントロールしてもらったほうがよい、自力で才能を伸ばすとか出来ない、という人だっているのである。

そういう、フリーに向いてない人までがフリーを目指すようになると、大変なことになる。自力で才能を伸ばすことができず、いつまでも低賃金フリーターから抜け出せない、ということにもなりかねない。たしかに就職を勝ち取るのも大変だろうが、同じケモノ道でもどっちがまだマシか、と考えれば答えは自明である。

こんなことを書いたのはフリーライター小林拓矢さんがhttp://d.hatena.ne.jp/tazan/20080425#1209119070で、自力でやっていく的な意思表明をされているからだ。実績も能力もある方がそれを目指すのはいいことだと思うから、小林さんの決意に他人が口を差し挟むべきではない。だが、本来一匹狼でやっていけるだけの能力を持っていない人間が勘違いするといけないので、この稿を書いた(もちろん自戒も込めているというか、かなりの部分自戒であるw)。読み手としては、「正規雇用を目指すコース」「フリーを目指すコース」と選べたほうがいいのであって。