城繁幸さんによる『限界自治・夕張検証』評

http://www.doblog.com/weblog/myblog/17090/2615712#2615712
選挙近しってことで、そろそろ自民党のバラマキ大作戦が始まりそうな頃合にグッドタイミング。地方は勿論、国政でも締めるところは締めないとどうにも回らないのはほぼ間違いないだろうし。

それと。

ところで、本書が読んでて飽きないのは、取材側の日常視点が実に絶妙なタイミングで
さらりと織り込まれている点にある。取材はまさに夜討ち朝駆けで、元旦正月も返上だ。

記者と言うのは、だいたい本書に出てくるような過酷な生活を送っているものだ。
特に政治部や警察まわりだと、まったく予定が組めないのが日常らしい。

こういうところはまだまだ新聞記者でないと出来ない領域なのだろうね。「夜討ち朝駆けで、元旦正月も返上」なんて一般のネット民には出来ないし、その意味で新聞が無くなるとはまず考えられない。

それでもやってる本人たちが意外と充実してそうに見えるのはなぜか。
恐らく、良い意味でも悪い意味でもアナログな仕事なので、共同体の中の役割感、
職人的な達成感というようなものが、依然として手に入るからだろう。

そういった中で得られるスキルというのは貴重なものだろうし、新聞作りの現場って外野が思ってるよりはるかにクリエイティブでスリリングなんだと思う。