希望は、町工場?

テレビ東京で、「世界に誇る町工場の職人魂」という番組をやっている。いまは障がい者向けの自転車を作っている職人さんを紹介していて、これは大量生産では到底対応できない重要な仕事。さっきはヘラ絞りという金属加工技術をやっていた。言葉は聞いたことあるが実際見るのは初めて。この技術を持つちいさな町工場が世界中から注目されているというのだから、なんとも痛快である。

ぼくは以前に、中小企業が年長フリーターを採用してくれる可能性について書いたが、その筆頭はこういった町工場だと思う。なぜならこういう会社には「次の世代に技術をどうやって伝承するか」っていう悩みがつきまとい、でも簡単には若い後継者をつかまえられないからだ。だから、

中小企業は新卒者や第2新卒を採りたくても、思うように採用できない。(中略)特に製造業は、後継者不足に悩んでいたり、長期不況のなかで進んでしまった技術者の高年齢化に歯止めをかけたいという強い動機がある。(中略)技術者を養成したいと思っている中小企業ならば年長フリーターでも一人前に育ててくれる。
週刊エコノミスト2007年6月19日号・29頁)

という事情が生まれる。生まれている、はずである。

はずである、と書くのには理由がある。上でもリンクしたぼくの書いた記事でも指摘したが、のどから手が出るほど人手が欲しい中小企業の情報が、職を求めているフリーターのもとになかなか流れてこないのだ。

これは推測だけど、こういった企業の求人情報が流通する経路って、学校経由の新卒採用を別にすれば「身内」「コネ」「口コミ」が殆どを占めるのではなかろうか。多くの人の目に触れそうな可能性としてはせいぜいハローワークくらい。昔はそれでも人が集まったから問題なかったんだろうし、時代が変わったからといって急に柔軟な対応もできないだろう。web媒体を使うなんて発想はそもそも無いだろうし。

本当はこういう番組で求人情報も流せばいいんだろうけど、それは色々な事情でできないのだろう。でも「求人広告が出てないから採用してくれない」なんてことは必ずしも無いだろうと思う。
だから、求人情報を出していない会社でもダメもとでアタックしてみると、案外うまくいくかもしれない。会社名が分かったら電話帳で調べていきなり電話する、もしくは直接工場に押しかける*1。何社もアタックすれば一社くらいは面倒見てくれるかもしれないし、自分が見ていないだけで実は求人やってたなんてこともあるだろうし。

*1:芸人の弟子入りとかそんな感じ。