学問バトン

chikiさんに「メディア論バトン」をブクマでリクエストしたら、なんと「学問バトン」になって返って来ました。
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20070716/p1

学問バトン
・あなたの専門・専攻・得意教科は?
社会学。一応日本史を専攻してた時期もあるのだが、いろいろあっていまは黒歴史にしているw

・あなたは、どのようなテーマに関心がありますか?
メディア論(とくにオタク系カルチャーと社会との関わりに関心がある)
労働社会学(でいいんだろうか? 実際の雇用政策との絡みで)

・あなたは、なぜその専門・分野を選んだのですか?
とにかく、なんでも出来そうな気がしたから。じっさい、なんでも出来ると思うので、後悔していない。

・あなたが最も影響を受けた人と、その理由を挙げてください(複数人可)。
上野千鶴子:高校の頃、毎週日曜の朝日新聞にコラムを連載していたのがきっかけ。左翼の可能性をまだ信じ、学園紛争の世代に漠然とした憧れを抱いていた自分にとっては、「あの時代は私たちにとっての戦争だった」と言い切る上野の言葉はあまりに刺激的で魅力的だったし、いつか自分のもとにもそんな時代が来てほしいと思っていた。

稲増龍夫:けれどもガチで革命を夢見る青春はそう長く続かなかった。ぼくの興味はサブカルへと移り、それらと学問を結びつける稲増の言説にコロッとやられた。その後彼が教鞭をとる大学に入ったのだが、学部は違った。のちに追いかけるように社会学部に移るのだが。

中野収:けれども大学で一番影響を受けたのはこの方である。授業は昔ながらの大教室でボソボソ喋るだけで板書もしないというもので、逆にそれがぼくの興味をかきたてた*1

宮台真司:大学卒業後はすっかり社会学から離れていたが、ふと取ってしまった宮台の文庫本。劇薬だった。ブルセラ援交の女子高生を持ち上げ、いい子ちゃんな男子どもをこき下ろす。不安によって社会の変化を喚起するという彼の戦略は、ぼく個人の精神を容赦なく痛めつけた。
やがて、宮台の著作にのめり込んで自殺したひとりの青年を、宮台自身の著作によって知ったのだが、もしかすると死んでいたのはぼくかもしれない、と時々思う。

・あなたが影響を受けた本とその理由を、何冊か挙げてみてください。
上野千鶴子『ミッドナイト・コール』
稲増龍夫『増補 アイドル工学』
藤井誠二宮台真司『この世からきれいに消えたい。』
影響を受けた理由は上を参照。

・入門者に、その分野の「入門書」として一冊お勧めするとしたら何を薦めますか?
上記の本はいずれもクセがあるっちゃああるので、野村一夫社会学感覚』を。ほかに入門書として同じ著者の『子犬に語る社会学』てのもあるらしいがこっちはまだ未読。

・あなたが考える、その専門・分野の「武器」はなんですか?
世間に流布する俗説を、根っこの部分からひっくり返せる攻撃性。

・他人に「君、大学では何を研究してたの?」等と聞かれた場合、なんと答えるようにしていますか?
ひとこと「社会学」と答えてキョトンとしている相手だとそれ以上説明することを断念してしまうという。そもそも社会学ってどんな学問かを分かっている人が圧倒的に少ないのだから。

・あなたがその専門・分野に関して、一般の方に知ってもらいたいところは何ですか?
若年ワーキングプアネットカフェ難民などの問題は自己責任で片付けられるものではなく、経済的・政策的な問題だということ(ようは本田由紀さんが主張していること)。自分も年長フリーターの域に達しているのでとても切実。

・あなたがその専門・分野に今後期待することはなんですか? あるいはあなたがその分野で達成したい目標はなんですか?
もっと政策面で社会学の成果が反映されるようになってほしい。
個人的には、もう少し勉強しなきゃ。


以上。
このバトンを、交友範囲で興味示してくれそうな人、
id:lapisさん
id:kuriyamakoujiさん
にお渡ししてみる。

*1:先生にはプライベートな面でも色々お世話になったが、素性がバレてしまうので詳しくは書けない。そのお礼もろくに言えないまま、去年鬼籍に入られたそうである