季節に合わせて

マリみても「子羊たちの休暇」を繰り返し読んでいる今日この頃。

シリーズの中でこの巻がいちばん好きだ。いちばん好きな季節が舞台だし、子供のころの思い出につながるからだ。

親の勤務先が軽井沢のはずれに研修所を持っていて、夏休みになるとよく遊びに行っていた。研修施設なのに、ぼくの家族や親の同僚、みんなで別荘のごとく使っていた。部屋には私物が溢れ、なぜか麻雀牌や花札まであった。そんな公私混同も大目に見られた、おおらかな時代だった。

ときどきはニジマス釣りに行ったり、牧場や観光に行ったこともあるが、大抵は部屋でゴロゴロとしていた。祥子の別荘とは程遠い環境なわけだが、都会から離れてゆっくりと時間を使う感覚の心地よさは良くわかる。いまはそういうこともできなくなってしまった。

そういえば研修所になぜかいつも『少年チャンピオン』があった。土地柄だろうか。小山田いくが「すくらっぷブック」を連載していた頃だし*1、地元の人が描いてるがために近所の雑貨屋においてあったのかもしれない。