オタクは、映画「ミルク」を観て学べることが沢山あると思う

きょうのTBSストリームで町山智浩さんが、ゲイの権利活動で著名な人の伝記的映画「ミルク」について話してたのだけど、自分に直接利害がない集団の主張に対しても支援の意思を表明した方がいい局面は多いってことがこの映画の中から学べるんじゃないか、と思った。
以下ネタバレぽいので読みたくない人は回避して欲しいのだけど。














町山さんが紹介していたエピソードはこういうもの。ビール会社のクアーズが、全米規模の組合に加入する運転手を排除するようになり、反発した運転手たちはクアーズのボイコットを飲食店に対し呼びかける。でも運転手がいくら苦しもうが飲み屋の経営には直接関係ないことだから、その求めはたいがいの店から無視される。
ところがこの映画の主人公ミルクは、「立場は違うし我々ゲイには利害もないが、クアーズのしたことは不当だから運転手を支援すべきだ*1」と言って、すべてのゲイバーからクアーズビールを撤去することを決めたのだという。
話はまだ終わりではない。このことを知った運転手組合のあるメンバー、この人はゲイに対して偏見をバリバリ持っていたのが、ミルクのこの行動を知ってからは考えを改め、ゲイの主張にも理解を示すようになった。
同じ事を日本のオタクたちもするといいと思うのだ。女性だったり在日だったり障がい者だったりという理由でいわれなき差別を受けている人は大勢いて、そういった人たちとは直接利害関係がなかったとしても、不当な扱いだと判断すればそこからの解放運動を支援する。そして逆に、今度はそういった人たちがオタクの権利主張運動を支援してくれたときに、その人たちに今までは偏見を持っていたとしてもそれをうち捨てて理解を深める。そういう良い循環が必要なんだと思う。
逆にネットとかで散見されるウヨ系オタは、そのへんの思慮が足りないというか、自分たちの権利ばかり主張して自分と遠い立場に居る人たちの権利をちっとも顧みようとしないから、逆に自分たちの主張も孤立するという、悪い循環になっている気がする*2

*1:テープ起こししてないので詳細な表現が違うかも。すまんそ。

*2:児ポ法には反対するのに映画「靖国」の上映中止は賛成するとか黙殺するとかね。このテの話は枚挙に暇がない。