交響詩篇エウレカセブン 第21話(9月11日TBS)

今更言うまでもないけどいよいよエヴァっぽくなってる。あれが成功して以降「メカものはとりあえず判り難く、作者の自意識だけ追っていればいいんだ」的な雰囲気が業界内で強まってはいないか。言ってみれば「右に倣え」感覚。
みる側としては違う方向性がそろそろ欲しい。例えばいまわれわれが生きている社会を鋭く切り取った感覚を取り入れるとか。言い換えれば、いったん「社会派」に回帰してみるとか。

そのへんを踏まえつつ感想。
自分のやってることが人殺しだとようやく気づいたレントン。千切れた腕を見るまで、敵機の中にも人がいるという事を感じ取れなかったのだ。「実感のない戦争」「バーチャルとリアルの区別がつかない現代っ子」とかいう社会派らしい香りをそこに込めたとも取れるし、それらのテーゼはいまだ重要だと思う。けれどそれらのトピックには既に手垢が付いてしまっていて、「いま」を切り取っているという感触には乏しい。

挙句レントンはシンジっぽく悩んじゃって逃げちゃった。結局「世界」の問題は「セカイ」(この場合「自意識」と読み替えても良い)の問題に還元されてしまったのだ。