BECK 第四話(10月27日TX)

十代でバンドやってるというとちょっと不良なイメージがあって、「良い子」であると見せかけて実は「悪い」ことに踏み出す勇気がないだけの小心者だったぼくにとっては、そんな連中とつるんでみることにすごくドキドキしたものだった。

さて、コユキをバンドメンバーに入れようという真帆の主張が通り、竜介のギターがコユキに貸し出される。しかしそのギターを誤って壊してしまい、竜介のもとへ謝罪に行くが…。

おとなしい奴が「ワル」に対して抱いている親近感とかは、往々にして裏切られるものだ。彼らは素直に感情を表に出す。それは怒声であったり、ときには拳で表現される。そういった作法に免疫のない「コユキ」たちはそこから後退する他ない。

泣きながら謝っても受け入れられず、コユキと竜介の縁はいったん切れる。竜介の気持ちはよく分かる。彼にとっては単なるギターではない大事なものだから。けれど、これで二人の関係が終わってしまうのは、ロック好きの道を挫折した者にとってあまりに悲しい。