中原麻衣ちゃになる夢

夢の中で、ぼくはひとりの少女だった。目の前にはもうひとりの少女。彼女はとある国の姫君。中東風の衣装に身を包んだぼく、いや私たち。悪と対峙し、追い詰められるが、人ひとりの命を差し出すことですべては解決する。

自らの命を投げ出そうとする姫を制して、私は言った。甘いなかにも芯の有る、あの中原麻衣の声で。

誰かが死ななければならないというのなら、私が喜んで命を捧げます。

そうか、私は死んでしまうのか。不安にかられつつも、心は不思議と穏やかだった。いよいよ意識が薄れていくと思ったそのとき、現実に引き戻された。