山崎豊子『沈まぬ太陽』(ネタばれあります)

id:genesisさんが読んだようだ。ぼくも数年前に読んだことがある。
http://d.hatena.ne.jp/genesis/20040428#p1
左遷を繰り返された主人公は、いったん会長室付きになるが、ふたたびナイロビへと飛ばされる。かれが失意に打ちひしがれたまま小説は終わる。

しかし。

「小説のモデルとなった小倉さんはほんとうに不幸だったのだろうか?」

小倉さんの死亡記事*1を読んだとき、かれが日航を辞めてからもアフリカに残り、写真家として活躍していたことをはじめて知った。そのときのぼくのつぶやき。

調べてみると、すごい業績を残されていることが分かった。これほどまでに強い意志としたたかさを持った男性が、打ちひしがれて夕陽を見つめていた恩地元のモデルだというのか?*2

生前の小倉さんへのインタビューがある。アフリカの自然について実にいきいきと語っているように見える。
http://www.kikanshi.co.jp/prior/dantai/ogura/p-ogura.htm

*1:2002年、がんにより死去。

*2:それが左遷のおかげだなどと言うつもりは毛頭ない。もし左遷がなかったとしてもかれは素晴らしい一生を送ったはずだ。